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Posted by つくばちゃんねるブログ at

2008年06月25日

茨城と東京の差か……

筑波大学ではもう1学期末です。今学期はあと9個レポートがあります。
笑うしかないです。現実逃避中です。



今日、授業で茨城県庁の生活環境部の人のお話を聞きました。
茨城県ではこんな事をやっているよ、というお話を一時間強うかがった感じです。

印象に残ったのは、温暖化対策に関して、やたら県民に対しての啓発活動をしてるなぁ、ということ。
茨城エコ・チェックシートを導入しようだとか、太陽光発電などの新エネルギーを導入しようだとか(でも助成金は無し 笑)、省エネ機器へ買い換えよう、とか。
事業所に対しては「茨城エコ事業所登録制度」というものを実施していますが、認可する敷居は低めに設定してあり、こっちも「みんなで協力してCO2を削減していこう」という団結感を出す感じのもの。
しくみづくり、という感じではありません。


啓蒙活動ばっかりな環境運動は肌に合わない僕としては、「へぇ、こんな感じなんだ」という、少し冷めた印象。



そんな感じだったので、つい聞いてしまいました。



「取り組まれている内容としては、啓発活動が多いんですね。(≒意味あるんですか?)」

「しくみづくりは難しいんですか?(≒行政はしくみづくりこそやるべきなんじゃないですか?)」



って。



あ、嫌な感じは出さないように頑張りましたよ。




とりあえず、返答としては、


「県単位での、条例という形での規制は無理。法律という形で、国単位で規制してもらわないと」


ということでした。

確かに、一つの県だけで規制を強めてしまうと、企業の皆様から「なぜうちの県だけ?」と批判が多く来そうです。
別の県に事業所を移してしまった方が得、なんて考えられたら、県の収入も落ちてしまって困りものですし。

まぁ、先進的な試みに対して助成金をあげるとか、そういう形でのしくみづくりはいくらでもできると思いますが…
なかなか難しいのかなぁ…なんて思ってました。



…なんて思ってましたら、ちょうど今日、こんなニュースが。


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<東京都>CO2削減条例成立 全国初の義務化
6月25日19時17分配信 毎日新聞


 東京都内の大規模事業所に対し、地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)の排出量を削減するよう義務づける都の環境確保条例の改正案が25日、都議会本会議で全会一致で可決・成立した。排出量削減の義務化は全国初。

 改正条例は2010年度から実施され、都は原油換算で年間1500キロリットル以上のエネルギーを使う約1300事業所に対し、20年度までに過去数年間の平均排出量の15~20%の削減を求める。具体的な削減義務率は専門家らの意見を聞き、今年度内に定める。

 改正条例について地球温暖化防止に取り組むNGO「気候ネットワーク」の浅岡美恵代表は「政府の取り組みが遅れている中、インパクトは大きい」と評価した。しかし、一方で「国際的には発電所から直接排出されたCO2量を計算し、規制するのが常識だが、日本では東京都も含め、電力をオフィスなどの最終消費部門に振り分けた『間接排出』でみる。排出枠が大きい火力発電所の問題を正面からとらえない限り、CO2を大幅に減らせず、国際的な制度とのリンクも難しい」と指摘した。

 また、都の条例改正に向けた取り組みを評価してきた東京商工会議所(岡村正会頭、約8万社)の担当者は「削減義務率の設定など問題はこれから。環境と経済成長のバランスに配慮して公平性を担保してほしい」とコメントした。【須山勉】


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これが茨城と東京のポテンシャルの違いか…と感じてしまいました。
まぁ確かに東京だったら、規制が厳しくても他の県に移動しようなんてことは思わないだろうなぁ……  続きを読む


Posted by じょきょうじゅ at 23:19Comments(2)環境問題について思うこと

2008年06月12日

目指す先はシンプルに!

つくば3Eフォーラムが終わってから、もう2週間が経とうとしていますが、またフォーラムについての話題です。
書こう書こうと思ってたのですが、気づいたらこんな日になってしまった……



フォーラムの一日目に、インターナショナルセッションということで、先進的にCO2削減に取り組んでいる世界各国の自治体の方の講演が行われました。
どこも十年以上継続してCO2排出量削減に取り組んでいるところばかりでしたが、その中でも印象的だったのがスウェーデン・ベクショー市のビョルン・ゼスラエウス氏の講演でした。(pptはこちら



ビョルン氏いわく、





「標語はシンプルでなくてはいけない!」



「その標語は、議論の余地が無いものであるべき!」




そうは言っても……と思いますが、ベクショーの凄いところは、実際にそのフレーズを提唱している点。
それは、




「石油資源への依存をやめよう!(Fossil-fuel-free)」




というもの。
正確には、「いつかは」という言葉が入るわけですが。






石油資源には、限りがあります。
だから、いつかは石油は地球上から消えてなくなってしまう。
これは大多数の人が認めている事実です。



でも、今私たちは、石油資源に依存して生活していますよね。
原油価格の高騰でさまざまなものが値上がりしたことからも、それは分かると思います。



そんな生活は、でも永遠には続けられないわけです。
いつかは石油がなくなってしまいますから。

そりゃあ、僕が生きている間くらいは大丈夫かもしれない。
でも、子供や孫の世代となると、実際問題怪しくなってきます。



つまるところ、遅かれ早かれ、石油資源を全く使わない社会を作る必要があるのです。



でも、社会を変えるのはそんなに簡単な事ではない。
一年や二年でできるものではないですし、十年やそこらでも無理でしょうね。



だから私たちは、ゆっくりとでも良いので、その方向に向かって進んでいかなくてはいけない。






このメッセージの意味するのは、こういうことです。




これは、言われてみれば当然のこと。
でも、僕にとってはこれは目から鱗が落ちる思いでした。
そしてなぜこれに気づかなかったのかと悔しく思い、
こんなにも明確に目指す先を示していることばに出会って感動すらしました。




目指す未来をイメージすることは、生活を変え、社会を変える第一歩だと思います。
この「Fossil-fuel-free」という言葉は、そのイメージを作る基盤となる。
しかも、このことは議論の余地が無い事実であり、だからこそすべての人と共有できる。
かなり完成されたメッセージだと感じました(ほめすぎ?)






「石油資源への依存をやめよう!」






ぜひみなさんも、この事を頭の片隅においてもらえたらと思います。
別に、明日から何をしろというわけではありません。
でも、うっすらとでも進むべき方向を意識しておければ、少なくとも道に迷うことはないと思うのです。  続きを読む


Posted by じょきょうじゅ at 22:50Comments(4)環境問題の科学

2008年06月03日

3Eカフェを終えて-可能性と課題

去年の12月に、筑波大学で「つくば3Eフォーラム」というものが開催されました。
3Eとは、環境(Environment)、エネルギー(Energy)、経済(Economy)の頭文字の3つのEのこと。
このフォーラムの目標はずばり

『つくば市で2030年までにCO2排出量を50%削減しよう!』

これを、つくば市と筑波大学、周辺の研究機関の協働により達成しようという壮大な計画が、実は進行中なのです。



でも、地球温暖化って、それらの機関だけが頑張れば解決できるものでは無いですよね。
解決には必ずライフスタイルの変化が伴いますし、なにより未来の社会を作るという作業を行政や研究機関にまかせっきりにして良い結果になるとは限りません。
市民、行政、研究者、企業などが意見を交換し、未来のイメージを共有していくことが、脱温暖化社会の構築には必要なわけです。


そのような色んな人たちをつなぎ、意見交換をする場を用意しようというコンセプトで企画されたのが、タイトルにある「3Eカフェ」。
僕も少し前から企画運営に関わっていたのですが、去る6月1日に第二回3Eカフェが無事終了しまして、今回はそれについてのエントリになります。

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Posted by じょきょうじゅ at 22:08Comments(4)科学コミュニケーション